図柄入りナンバープレートの交付について 国土交通省自動車局自動車情報課長 長﨑 敏志 わが国では、自動車は道路運送車両法により、登録を受けた車でなければ 運行できないルールになっており、登録自動車は国土交通大臣が通知する番 号を記載したナンバープレートを表示しなければならないとされている。ナ ンバープレートの表示内容には、①地域名②分類番号③平仮名④一連指定番 号─などがある。これらの表示によって、各自動車はどこの誰の所有物かが 明らかになり、このほかさまざまな情報が識別、管理されている。 いわゆるNシステムは、ナンバープレート上のさまざまな情報を瞬時に識 別することで、どういった自動車がどこを走行しているかを管理する仕組み だ。
従って、数字やアルファベットが混在すると、判別しにくいなどの理由 で、日本では図柄入りナンバープレートの導入が見送られてきた。 図柄入りナンバープレート導入の前段階として実施した施策に“ご当地ナ ンバー”制度がある。これは運輸支局の所在地の地名しかなかった従来ナン バーに加え、地域やご当地の地名を表記したものだが、実際に導入された地 域は首都圏近郊地域が多かった。もちろん「春日井」ナンバーをはじめ、 「倉敷」ナンバーや「下関」ナンバーなどの例もあったが、あまり多くの地 域に導入されなかった。これは複数の理由が考えられるが、大きな理由とし ては地域同士の調整ができなかった点や地域のアイデンティティーが失われ てきている事情もあるだろう。
一方、海外、特にアメリカでは地域、州はも ちろん、用途や目的ごとに図柄入りナンバーが存在している。例えばニュー ヨーク州では自由の女神やナイアガラの滝などのデザインが用いられ、ナイ アガラの滝をはじめ、ニューヨーク州立公園の維持・管理や観光振興に利用 されている。 このように寄付が何に使われ、具体的にどういった効果、意味があったの かが視覚化、具現化されると、単にナンバーのデザインそのものの議論だけ ではなく、政策論議にまで発展する可能性があると思っている。