◆特別座談会~シリーズ「図柄ナンバープレート(地方版)促進のために」

「飛鳥」ナンバーを起点に、「飛鳥・藤原の宮都」世界遺産登録へ

出席者(肩書は掲載当時)

  • 逢沢 一郎 衆議院議員
  • 猪股 博之 国土交通省 物流・自動車局次長
  • 森川 裕一 奈良県明日香村長
  • 寺井 剛敏進行 金沢美術工芸大学教授
この記事について意見交換する

2026 年7 月26 日、奈良県の「飛鳥・藤原の宮都(きゅうと)」が国連教育科学文化機関(UNESCO)から世界遺産に登録された。そこで「時評」では、世界遺産登録を受け、同県明日香村長・森川裕一氏を迎え、金沢美術工芸大学教授・寺井剛敏氏を進行役に、衆議院議員・逢沢一郎氏、国土交通省物流・自動車局次長・猪股博之氏らと「図柄ナンバープレート(地方版)促進のために」をテーマに座談会を企画した。
 明日香村をはじめ、橿原(かしはら)市、高取町、田原本(たわらもと)町、三宅町の1 市3 町1村からなる「飛鳥」ナンバーは図柄ナンバープレート(地方版)の中でも高い普及率を誇る“図柄ナンバープレートの優等生”とも言える存在だ。「飛鳥」ナンバー導入当初から、日本遺産認定、世界遺産登録までを見据えたコンセプトとストーリーを展開。今回、そのストーリー展開が見事に結実したわけだが、座談会では29 年度にも導入が予定されている(ふるさと版)に向けて、今後の戦略や展望なども話し合ってもらった。
 国土交通省では、図柄ナンバープレート(地方版)第5 弾、第6 弾の募集(第5 弾は26 年9 月末までに意向表明、12 月28 日までに図柄提出予定)を行っているが、ぜひ多くの自治体・地域関係者の参考にしてほしい。

寺井2026年7月26日、奈良県の「飛鳥・藤原の宮都(きゅうと)」が国連教育科学文化機関(UNESCO)から世界遺産に登録されたことを受け、衆議院議員・逢沢一郎氏、国土交通省物流・自動車局次長・猪股博之氏、奈良県明日香村長・森川裕一氏を招き、特別座談会「図柄ナンバープレート(地方版)促進のために」を開催したいと思います。図柄ナンバープレート(地方版)の普及率の上でもとりわけ高い人気を誇る「飛鳥」ナンバーですが、20年5月の導入当初から日本遺産認定、世界遺産登録を見据えて、コンセプトを構築されていました。つまり、「飛鳥」ナンバーを起点に、日本遺産、世界遺産を目指すストーリーを見事に具現化されたとも言えるわけです。

飛鳥ナンバー

26年8月現在、国では図柄ナンバープレート第5弾、第6弾の募集を行っていますが、「飛鳥」ナンバーのコンセプトを改めて検証することで、他の地域にとっても参考になるのではないかと今回の座談会を企画しました。これまでの座談会では、私の専門のデザインから図柄ナンバープレートについて議論することが多かったわけですが、今回は図柄のコンセプトやストーリーづくりに主眼を置いて議論を深掘りしたいと思います。最初に森川村長、「飛鳥」ナンバー導入の経緯から説明いただけますか。

森川図柄ナンバープレート(地方版)が誕生する前のご当地ナンバー第2弾募集の13年(交付は14年11月)当時、「飛鳥」と呼ばれる当村と橿原市、高取町の1市1町1村が中心になって、当時の登録台数10万台を目指しましたが、5万台いくかどうかという状況でした。従って「もう少し広域で(自治体を)集めよう」ということになり応じてくれたのが、吉野郡吉野町だけでした。

寺井吉野町というと、桜で有名な吉野ですか。

森川そうです。エリアは少し異なるのですが、当時の町長が私の中学・高校の後輩という人的関係もありました。しかし、結果的にご当地ナンバー第2弾は、国の選定からは漏れてしまいました。選考過程で国交省から「地域振興を本気で考えている地域をできるだけ応援したい」との話を頂戴し、「やはりコンセプトが大切だ」ということで再検討し、飛鳥時代の歴史的な関係もある枠組みとして「飛鳥」エリアに近い自治体、先述の1市1町1村に加えて田原本町と三宅町が加わり1市3町1村のスキームに再編成し、再度「飛鳥」ナンバー導入に向けて動き出したわけです。

逢沢なるほど。今でこそ「飛鳥」ナンバーは、図柄ナンバープレート(地方版)の優等生のように位置付けられていますが、当初は決して順風満帆なわけではなかったわけですね。

森川はい。結局、首長を中心とした意思決定と、地域住民の皆さんの感覚がまとまったのがご当地ナンバー第3弾(地方版第2弾)までかかったことになります。それから地方版第2弾になって、国の応募要件が「複数市町村で導入する場合は登録台数がおおむね5万台でもいい」と緩和されたことも大きかったですね。

猪股今回の「飛鳥・藤原の宮都」の世界遺産登録は、24年に新潟県佐渡島金山が登録されて以来で、一日本国民として誇りに思います。今回の世界遺産登録という大きな流れに飛鳥」ナンバーが貢献できたのであれば、行政官であるわれわれとしても非常に嬉しいし、光栄だと感じています。

=「飛鳥」ナンバーを起点にて、日本遺産、世界遺産を目指すストーリー=

寺井文化的につながりのある1市3町1村が「飛鳥」ナンバーでまとまり、そこから日本遺産、世界遺産を目指すストーリーが始まっていくわけですが、森川村長、ぜひそのストーリ-展開についても説明願えますか。

森川先ほどお話した1市3町1村は、飛鳥時代の下ツ道(しもつみち)という藤原宮から平城宮まで南北を連なる道でつながっていました。ちなみに下ツ道は、

ここから先は会員限定です

続きをお読みいただくには、会員登録(無料・メール認証)またはログインが必要です。

会員になると、自治体・関係機関の方々と意見交換できる地域連携フォーラムにも参加できます。

※登録はメールアドレスの確認のみ。費用はかかりません。

本記事は時評 2026月10月号をもとに再編集したものです。肩書・役職は掲載当時のものです。                           初出:時評 2026年10月/©株式会社時評社

地域連携フォーラム

この記事のテーマについて、意見交換しませんか?

「制度・政策について」フォーラムで、自治体・関係機関の会員どうしが情報を共有しています。

無料で会員登録して参加する フォーラムについて

関連記事

岡山フォーラム・座談会
座談会「図柄ナンバープレート(地方版)促進のために」
詳しく見る ›
施策を知る
「図柄ナンバープレート」(ふるさと版)導入へ
櫻井 紀彦
国土交通省物流・自動車局自動車情報課長
詳しく見る ›
施策を知る
東京五輪・パラリンピックを機に図柄入りナンバープレート導入へ
池光 崇
国土交通省 自動車情報課長(歴代)
詳しく見る ›
施策を知る
図柄入りナンバープレート導入を目前に控えて
益田 浩
国土交通省 自動車情報課長(歴代)
詳しく見る ›